ドラクエのぬいぐるみをレビュー【ばくだん岩】

ある日のこと。わたしは、いつもどおりAmazonでブラブラと意味もなくネットショッピングを楽しんでいた。なにかおもしろい商品はないかなー。

そのとき、ぼくの目に不思議な商品が飛び込んできた。

ナンダコレハ・・・?!

ドラクエのぬいぐるみたち

それは、ドラゴンクエストのキャラクターのぬいぐるみたちだった。ほー、こんな商品が発売されているんだなぁ。スライム、かわいいな。ひとつ買ってみようかな。シドーやゾーマといった魔王まで売っているんだな。

そう思って、関連商品を見ていたその刹那のことである。ああっ、これってもしかして・・・?! 

ばくだん岩がある!!  

ばくだん岩を見つける

すごい、ほしい!!
わたしは矢も盾もたまらず、そう叫んでしまっていた。『ばくだん岩』のぬいぐるみ。コイツがたまらなくかわいい。わたしの心をくすぐった。

「すごい、ほしい!!」
『天空の城ラピュタ』に登場するドーラという女海賊のセリフである。このセリフは、飛行石を目の当たりにした彼女の魂の叫びなのだが、今ならその気持ちがよくわかる。

人間はとんでもないお宝を見つけると本能的に叫んでしまうのだ。すごい、ほしい!!

Amazonの画像を見ている限りでは、かなり高品質なように見える。丸々としていて、忠実にデザインが再現されている。不気味な笑顔を浮かべた、ゴツゴツとした岩石のボディ。すごいこだわりである。この商品の企画を通した偉い人に拍手を送りたい。

今日は、『ばくだん岩』のぬいぐるみをレビューしたいと思う。

ばくだん岩の思い出

『ばくだん岩』のぬいぐるみのレビューをする前に、まずは『ばくだん岩』のことを説明しよう。

『ばくだん岩』は、ドラゴンクエスト3から登場したモンスターである。ドラクエ世界にはモンスターがたくさん登場するのだが、『ばくだん岩』はかなり有名な部類に入ると思う。コアなファンも多い。と思う。

うっとうしいザコ敵なのだが、なぜか憎めないキャラクターなのだ。

メガンテの使い手

『ばくだん岩』の最大の特徴は、自爆呪文である『メガンテ』の使い手であるという点であろう。

『ばくだん岩』は、攻撃力・守備力・素早さの数値は0なのだが、HPが減ると自爆してしまうため、多くのプレイヤーを苦しめた。

メガンテの図
↑メガンテの想像図を描いてみた。

メガンテといえば『ばくだん岩』。『ばくだん岩』といえばメガンテ。アバン先生もびっくりである。

自爆型モンスターのパイオニアであり、ドラクエシリーズの多くの作品に登場する『ばくだん岩』は、もはやドラクエを代表する看板モンスターと言ってもいいだろう。

そろそろ『ばくだん岩』という文字列がゲシュタルト崩壊を起こしてきた。

悩みの日々

このぬいぐるみを見つけてからというもの、2ヶ月くらい、買うかどうかを迷った。というのも、この『ばくだん岩』ぬいぐるみは、1944円もするのである。

これが1000円なら、すぐにポチっているところだが、1944円という絶妙な価格設定に悩まされる。面白い商品ではあるのだが、1944円も支払う価値があるのか。これは久しぶりに悩んだ。

少しでも安くならないか、2ヶ月間、Amazonで毎日『ばくだん岩』のぬいぐるみをチェックし続けた。多分、こんなに長期間にわたって『ばくだん岩』のページに毎日アクセスしたのは日本でわたしが初めてだと思う。

2ヶ月間、定点観測してわかったのだが、『ばくだん岩』のぬいぐるみは全然安くならない。価格変動が無いのだ。

ポチった

結局、いつまでも悩んでいても仕方がないので、ついに購入ボタンを押すことにした。

いよいよ、『ばくだん岩』が我が家にやって来る。あふれる思いが止まらない。

開封の儀

そして、3月某日。ついに我が家に『ばくだん岩』が入ったダンボールが届いた。

ばくだん岩が入ったダンボール箱
重厚で巨大なダンボール箱。

きっと『ばくだん岩』に刺激を与えないように、緩衝材かクッションみたいなものが詰め込まれているのだろう。Amazonのスタッフの心配りが伺える。

さあ『ばくだん岩』とのご対面である。いざ!

ダンボールを開ける

てれれれれれれ〜。

ダンボール箱の中身は思ったよりスカスカだった。

鎮座するばくだん岩

箱の底に『ばくだん岩』とおぼしき物体が入っていた。さっそく取り出してみるぞ。


つぶれたばくだん岩

二人の海に夜明けは来ないと君は気づいてた__

つぶれていた

『ばくだん岩』は、いびつな形につぶれて梱包されていた。なんとも哀れな姿だ。

ぺちゃんこ

強い力でギュウギュウに押しつぶされたばくだん岩。まるでスライムのようだ。

軟体動物のような姿

社会のストレスに押しつぶされた現代人を暗示しているのかもしれない。

開封すると復活した

つぶれたままではかわいそうだ。すぐに開封してあげた。

ばくだん岩

袋から取り出すと、つぶれていた『ばくだん岩』は、ふんわりと丸くなった。手のひらサイズで、とてもかわいらしい。

本体サイズは、横幅13cm×奥行11cm×高さ12cm。ちょっとしたボールくらいの大きさだ。

ペットボトルと比べてみる

500mmのペットボトルと比べてみた。

手触りはとてもなめらかで、優しい風合いだ。ぬいぐるみとして非常に堅実な作りをしているので、クオリティはかなり高いと思う。ギュッと握ったりすると気持ちがいい。

ぬいぐるみなので、ゲームのように突然自爆することはないので、安心してほしい。

生活感のある空間にばくだん岩

部屋のなかにばくだん岩
部屋の中に『ばくだん岩』を置いてみた。かなり生活感がある。

お部屋にばくだん岩がやってきた

消臭剤の上に

消臭剤の上にも、『ばくだん岩』が似合う。さわやかな空気感を演出できる。

フォトジェニックなばくだん岩

フォトジェニックな『ばくだん岩』を撮影してみた。アーティスト写真顔負けだ。

ばくだん岩の顔

顔面をアップで撮影してみた。細部までしっかり作り込まれていることがわかる。特に、赤く光る目玉がアクセントになっていて、すてき。

ばくだん岩がぼくの家にやって来た

今日は『ばくだん岩』のぬいぐるみのレビューを書いてみました。ドラゴンクエストが好きな人には、おすすめです。ふんわりとしたつくりなので、子どもやペットのおもちゃとしても使えると思います。

観賞用に、お部屋のファンタジー要素の演出に、おもちゃに、プレゼント用に。幅広い用途で使える『ばくだん岩』は、Amazon、スクエニカフェ、アルトニアなどで購入することが可能です。

ばくだん岩はツンデレ

こっち向いてー。

ということで『ばくだん岩』とたわむれた年度末でした。
メガンテ!!

モンハンワールドの世界観の作り方が好き【古代樹の森】

2018年の1月、PS4で『モンスターハンターワールド』が発売された。発売から2ヶ月弱。もう遊び尽くして飽きてしまった人もいるかもしれない。

わたしはゆっくりと遊んでいるので、まだディアブロスと戦っている。もう旬は過ぎてしまったかもしれないが、今日はモンハンワールドについて、わたしが感じたことをちょっと語りたいと思う。

わたし自身、モンスターハンターをプレイしたのはPSP以来である。

実に10年ぶりくらいのモンハンなのだが、「ああ、わたしが遊びたかったモンハンはコレだったんだな」と、純粋に思わせてくれるくらい、モンハンワールドは力のある作品だと思う。

具体的に何が良かったかと言うと、徹底的に作り込まれた広大な箱庭、これに尽きる。

広大で奥深い、リアルな箱庭を走り回る。無印が発売されてから14年の時を経て、ついにモンスターハンターは、本当のモンスターハンターになった。

モンスター同士の縄張り争い、モンスターたちが残す痕跡、フィールドに現れる環境生物、世界を形作る重厚なメインストーリー、膨大なフレーバーテキスト。とにかく世界観の構築が抜群にうまい。アクション以外のシステム面に、かなりこだわって作ったことがよくわかる。

もはやモンハンは、単にでかいモンスターを狩るだけのゲームではなくなった。

世界にはいろいろな花が咲いており、確かに風が吹いており、天気は次々と移り変わる。雲はゆるやかに流れ、夕方には極彩色の黄昏が見える。ときには雨も降るし、夜になれば天空には星が瞬いて観える。生きている世界がそこにある。匂いさえ漂ってきそうだ。

大蟻塚の荒地
これまでのシリーズでは、やや無機質だったモンハンの世界観が、今作ではグッと生命感に満ちたものに仕上がっている。すべてのオブジェクトに意味があり、すべてのオブジェクトが世界の一部としてそこに在り、機能している。

世界のなかで生きている。自然のなかで生きている。草木をかきわけ、泥にまみれ、モンスターを探して、うっそうと樹木が茂る森の奥地に一歩一歩向かっていく。この没入感がとても心地良い。

今日はそんなモンスターハンターのお話。

古代樹の森

まずわたしが感銘を受けたのが、最初のステージ『古代樹の森』である。シリーズで言うところの、いわゆる『森丘』に当たる。

古代樹の森
植物が密生する、奥深い森林のステージなのだが、これが非常に良かった。

いまだに迷うマップ

コケが生えたせまい道。巨大な古代樹。道すがらに連なる倒木。繁茂する草木。地面から見え隠れする木の根っこ。高低差のある足場。虫や小動物もちゃんと生息しており、ぬるぬると動いている。フィールドを流れる小川は、森の奥の滝から始まって、最終的にはマップの端の海岸まで流れていく。

古代樹の森の海岸

薄暗く、ジメッとした密林チックな雰囲気が、見事に描き出されている。平地、岩場、洞窟、浜辺、樹上、砂地、などフィールド内の景色がバリエーションに富んでいるので、歩いているだけですごく楽しい。しかもフィールド全体が階層に分かれており、立体的な構造をしている。これもまた面白い。

こんなに素敵な箱庭を自由に歩き回れる、その事実だけで満足感がすごい。リビングにプライベートジャングルを手に入れたようなものだ。

フィールドの構造が広大かつ複雑なので、いまだに迷うこともあるし、地図もなかなか憶えられない。でも、それがいいのだ。本作では、モンスターの徘徊するルートなどもかなりバリエーションに富んでいるので、同じクエストであっても、狩りの内容が大きく異なる。

いつまでも新鮮な気持ちでクエストに臨める。なんともお得ではないか。

おそらく『古代樹の森』は、スタッフがものすごい熱量で作り込んだのだろう。他のステージと比べても、明らかに手が込んでいる。

古代樹の森のギミック

堤を決壊させて土石流でリオレイアを押し流したり、植物のツタにハメたりと、いろいろなギミックが用意されているのも本作の特徴である。こういったギミックもまた箱庭に彩りを与えている。

森ならではの環境を利用して戦うというライヴ感が、まさに狩人っぽくて実に気持ちがいい。

茂みに隠れるということ

こういった狩人っぽい要素のなかで、シンプルながらも、わたしが感動したのが茂みでしゃがむと『隠れる』ことが出来るという要素である。わたしの記憶が正しければ、これまでのシリーズでは茂みに隠れるというアクションは出来なかったはずである。

この何気ないアクションの実装は重要だと思う。

ドスジャグラス
茂みのなかに隠れると、敵をやり過ごしたり、態勢を整えることが出来る。

『隠れる』というアクションは非常に狩人っぽい。とてもリアルだ。ここにハンターライフのアクチュアリティが見て取れる。

これまでのシリーズならばプレイヤーが草むらに身を置いても、モンスターはお構いなしに攻撃してきた。だが、モンハンワールドは違う。隠れるという何気ないアクションこそ、重厚な世界観の構築に大きく貢献しているといっても過言ではない。

ただし、モンスターはにおいを嗅ぎつけるので、ずっと隠れ続けることはできない。このあたりの調整は見事だ。

茂みに隠れながらモンスターを観察するのも面白い。気分は生態調査員。

生態系と世界設定

このように、これまでのシリーズと比べると、本作はプレイヤーが置かれた自然環境のなかで戦っているという感じが強く打ち出されている。

それはモンスターも同じ。これまでのシリーズだと、フィールドが細かくエリアに分かれていたので、エリアをまたいだ移動の際はロードが発生していた。フィールドはぶつ切りだったのである。

生態系
しかし、本作では、シームレスにフィールド内を移動することができる。つまり、フィールド全体がひとつのマクロな生態系として存在している。

本作の開発にあたり、スタッフはモンスターの分布図やピラミッド型の生態構造図を作ったそうだ。

草食モンスターの分布、そこにやって来る肉食モンスター、さらに縄張り争いにやってくる別の肉食モンスターなど、テリトリーや群れといった詳細な生態系が構築されているため、なぜフィールドのその場所にそのモンスターがいるのかということに説得力がある。

普通のアクションゲームとして遊ぶだけなら、そんなこと細かいことを気にする必要はないのだが、こういった緻密なこだわりが本作の完成度を高めていることは間違いない。

インタビューでもスタッフは下記のとおり、語っている。

――「MHW」において、生態系はどのように構築されたのでしょうか?

藤岡氏:ベースはやっぱり、「モンスターハンター」という世界の中にいるモンスター達をどう描くかというところになるんですが、僕たちがモンスターを設計するときには、そのモンスターがどういう理屈でそれぞれ個性的な部分を持っているのか、ということや、何を食べて生きているのか、というところからその動きが見えてきたりとか、モンスターをデザインするときはそういった根拠に強くこだわっているんです。

しかし、それを1つのフィールドの中で表現しようとすると、モンスターの食性とフィールドの植生の辻褄をあわせていかないと、モンスターがどう生息しているのかということがなかなか決められないんですね。なので、最初の時はそういった調整を重点的に行ないました。この辺りには海があって、この辺りには木があって森があって、じゃあこういう所は湿度が高いよね、とか、じゃあ湿度が高いところはこういう植生かな、とか。より鬱蒼としたところにはこういう植物が生えるからこういう生き物がいるよね、というところを決めていきました。

徳田氏:そこになにが生えているのかということもそうですが、どんなものが生態系の1番下にいて、モンスターは何を食べて暮らしているんだということを大事にしています。例えば「古代樹の森」だと草とか木の実などがそれに当たりますし、「陸珊瑚の台地」では「陸珊瑚」という陸生の珊瑚が産卵して、それがエネルギーの元になっていたり、という感じですね。特殊な生態を作ろうとするときはピラミッドの1番下の土台から考えて作っていきました

藤岡氏:そこから紐づくように小型のモンスターがそれを食べて、さらにそれより強いモンスターがそれを捕食して、というようにピラミッドを作って、生物としての強さとゲーム的な強さを照らし合わせながら作っていったので、そういう意味ではマップの中の生態系というのはかなりこだわって設定をしています。

【インタビュー】「モンスターハンター:ワールド」開発陣インタビュー - GAME Watchより引用

世界感に説得力と奥行きを持たせるために、アクション面ではないところにこれだけ注力しているのは、本当にすごいと思う。スタッフも、モンハンシリーズが始まって以来、ようやくやってみたかったことが実現できて喜んでいるに違いない。

フィールドの構造にはひとつひとつ意味があり、モンスターの分布にも意味がある。今作では、フィールドは移動するだけの場所ではない。

ちょうどオペラの舞台装置のように思われる。オペラは、歌手、舞台、衣装、小道具などあらゆる要素を包含する総合芸術である。もはやモンハンワールドも総合芸術。

新大陸という舞台

本作は、今までのシリーズとは異なる大陸が舞台という設定である。新大陸には、『古代樹の森』『大蟻塚の荒地』『陸珊瑚の台地』『瘴気の谷』といったステージが用意されているのだが、特筆すべきは、それぞれのステージのつながりである。

新大陸

ゲームのシステムとしては、それぞれのステージは独立しているため、厳密にはつながっているわけではない。ただ、それぞれのマップが「地続きである」ということは、強く意識されているように思う。

具体的には『古代樹の森』の豊かな水源から流れ込んだ水が、『大蟻塚の荒地』の湿地帯を作り出しているといったこと、『陸珊瑚の台地』から落ちたモンスターの死骸が『瘴気の谷』に影響を及ぼしていること、などが挙げられる。これらはゲームを進める上では、べつに知る必要はないフレーバーテキストの一種だ。

しかし、こうした世界の地続き感は、わたしたちプレイヤーの没入感をより深いものにしている。なにしろ本作では、プレイヤーは新大陸探検隊の一員なのだ。

未開の新大陸を少しずつ切り開いて、探検していく。そんなシナリオをじんわりと体験させるゲームデザインがとても心地よい。

地続きであることを意識させるため、本作では、雪山、凍土、火山地帯といった極端な環境変化を感じさせるマップが無い。(今後追加される可能性はあるが)

あくまで世界は地続き。フィールドごとの関係性をしっかりと考えて作っているのが好印象である。

陸珊瑚の台地
また、未開感を演出するための景観の作り方も上手だ。古代樹、巨大な蟻塚、陸に群生する珊瑚など、ちょっと変わったランドマークがフィールドを彩っている。

巨大な何かが通ってできたような峡谷など、それぞれのフィールドには、奥深い設定が詰め込まれており、わたしたちの想像力を刺激する。フィールドには由来と歴史があるのだ。

広い世界が待っている

ひとつのジャングル、ひとつの自然環境、ひとつの生態系がそこにアリアリと再現されている。徹底的に作り込まれた生態系と箱庭。わたしは、これがたまらなく楽しい。どこまでも探検したくなる、どんどん奥に進んで行きたくなる。

フィールドの広さ
森の最奥部には、強大なモンスターが控えているし、日当たりのいい場所では大型の竜が日向ぼっこをしたりしている。

ちょうど小学生の頃、裏山でかくれんぼをして遊んでいたときのような、そういう高揚感がこのゲームの中には確かにある。夏休みの一日のような、そんなワクワクした気持ちを思い出さずにはいられない。

我が家のリビングのテレビに、広大な新大陸が現れてから、わたしの心はずっと少年時代。もうしばらく寝不足の日々が続きそうだ。

どこまでも広い世界が広がっていた少年時代の夏休みをもう一度。アステラで会いましょう。

※記事を書くにあたって『電撃PlayStation』(Vol652〜655)の開発者インタビューを閲覧した。より詳細なゲームのこだわりを知りたい方は、ぜひチェックしてほしい。

水中が怖いゲーム3選【思い出のゲームソフト】

テレビゲームのなかで水中ステージってありますよね。わたし、水中ステージが本当に嫌いなんですよ。

みなさんは、水中ステージが怖くないですか?

ゲームってたいてい水中ステージが用意されているんですけど、わたしは水の中に潜る状況がすごく苦手です。テレビゲームの水中ステージって、だいたい深いところにでかい怪物が潜んでるじゃないですか。あれも不気味ですよね。

  • 画面が暗い
  • 水中なので動きがもっさりする
  • 溺れそうな感じがする
  • でかい何かに水底に引きずり込まれそうな感じがする

想像してみてください。水の中、身動き取れない状況で巨大な怪物に襲われるなんて想像しただけでゾッとしませんか。身の毛がよだちます。

水中から襲ってくるモンスター

恐怖!水中から現れる巨大モンスターの図。

水中で巨大モンスターと戦った、わたしの思い出のゲームソフトを紹介したいと思います。

スーパーマリオ64

ニンテンドウ64で発売された『スーパーマリオ64』は、当時、最高峰の3Dアクションゲームでした。多くの人がプレイしたことがある名作ですが、水中ステージの不気味さは歴代マリオシリーズのなかでもトップクラスです。

かいぞくのいりえ

問題は最序盤のステージ「かいぞくのいりえ」というステージです。このステージは、ステージの9割以上が水没しており、主に広い海の中を探検していくこととなります。

最序盤のステージでありながら、青い海が果てしなく続く広大なステージで、多くのプレイヤーを驚かせました。静かで美しいBGMも相まってなかなか人気の高いステージなのです。

まるでヒーリング・ミュージックのようです。水の世界にマッチした名曲ですね。

巨大ウツボ

人気のステージ「かいぞくのいりえ」ですが、このステージには、大量のプレイヤーを恐怖のどん底に叩き込む怪物が潜んでいました。

そう、巨大ウツボです。

当時、多くの子どもたちにトラウマを植え付けたのがこのウツボ。沖合まで出てみると海中の深いところにウツボがひそんでいるのです。

しかもめちゃくちゃでかい。全長がマリオの何十倍あるわけですよ。まさにシーサーペント。

こんなのが自分の足元にいたらめちゃくちゃ怖いじゃないですか。

  • 幼いころはウツボがトラウマだった
  • 海中ステージの深さと広さが恐怖だった
  • 神秘的なBGMだけど、当時は怖かった

といったコメントがネットにはたくさん見られました。やっぱりみんなそう思ってたんですね。

ニンテンドウ64の荒いゴツゴツしたポリゴンも相まって、想像以上に不気味な仕上がりになっています。他のニンテンドウ64のゲームソフトも、水中ステージはだいたい不気味な感じでしたよね。

『バンジョーとカズーイの大冒険』とか『ゼルダの伝説 時のオカリナ』とか、ここぞとばかりに海に潜らせるんですよね。今思い返すと、とにかくえげつない。

スーパーマリオサンシャイン

次の作品は同じくスーパーマリオシリーズから、ゲームキューブで発売された『スーパーマリオサンシャイン』です。

マリオが南の島を舞台に活躍する名作アクションゲームです。「冒険の舞台は南の島・シリーズ初となるポンプアクション」というマリオシリーズのなかでもかなり珍しい設定が人気を呼び、今でも根強いファンを持つ作品です。

南の島ということもあって、明るく楽しげな世界観がウリですが、その半面難易度がかなり高く、オールコンプリートはなかなか骨が折れます。

マーレのいりえ

非常に美しい水の描写が人気を博した本作。なかでも人気の高いステージが「マーレのいりえ」というステージです。とても美しいステージではありますが、後半のステージなので、難易度が高いです。

このステージでは、深海に潜っていく場面があるのですが、これが非常に怖い。いわゆるみんなのトラウマです。

きょだいウナギのはみがき

このステージでは深海に潜む巨大なウナギを相手になんと歯磨きをしてあげることになります。このウナギの歯磨きはボス戦扱いなので、逃げ出すこともできません。


「ウナギの歯磨き」と言うと、ファンタジックな響きで、かわいらしい感じにも思えますが実際にプレイしてみると、不快そのものです。

  • 深海なので周囲が暗い。
  • 水底でおおきな黄色い目玉が光っている。
  • 身動きがとりにくい。
  • 酸素に限りがあるので、マリオの行動がかなり縛られる。
  • 大きなウナギの動きがやばい。

多くの子どもたちにトラウマを残しました。なんでこんなボスを作ったの・・・。

ワンダと巨像

『ワンダと巨像』はプレイステーション2で発売されたアクションアドベンチャーです。小さな人間ワンダが、見上げるくらい大きな巨像たちと体一つで戦っていくという名作です。

主人公ワンダを操作して、見渡す限りの荒野「禁断の地」に存在するたくさんの巨像と戦っていくこととなります。人も動物もいない荒れ果てた大地という世界観が、プレイヤーの想像力をかきたててくれる要素となっています。わたしも大好きなゲーム。

最近ではプレイステーション3などにも移植されるなど、はかなく美しい独特の世界観はコアなファンを獲得しました。2018年にはプレイステーション4でのリメイクも決まっており、多くのファンを抱えるゲームソフトと言えるでしょう。

「さいごの最後の一撃は、せつない」というキャッチコピーは、今なおゲーム業界に伝説として語り継がれています。

7体目の巨像

この作品には全部で10を越える数の巨像が登場します。一体一体が異なる姿をしていて、攻略方法もすべて異なっていて、攻略のしがいがあります。

牛のような巨像、鳥のような巨像、人形の巨像など、いろいろなバリエーションの巨像がいるのですが、注目すべきなのは7体目の巨像(通称:電気ウナギ)です。またしてもウナギ!

やっぱりゲームを作る側としても、細長い生き物(ウナギとかウツボとか)が水中には似合うと考えているのでしょうかね・・・。

この7体目の巨像との戦いは、水中ステージとなっていて、このウナギは深い深い湖の奥底でプレイヤーであるワンダを待ち構えています。

戦う前にはカメラが水中に移動して、遥か水底からの視点でのムービーが入るのですが、これがまた雰囲気があります。

底の見えない湖

この巨像と戦う場所は、広くて深い湖です。水中ステージといっても、このゲームはプレイヤーは水中にもぐることができないので、必然的に水面で戦うことになるのですが、それがリアルで恐怖感を高めます。

プレイヤーは底も見えない真っ黒な湖のなかを縦横無尽に動き回る特大のウナギと戦う必要があるのですよ。まあ、当たり前ですが、圧倒的にウナギのほうが有利です。このゲーム、水中ではほとんど何もできませんからね。 なんだこの状況。いじめかよ。

水面に浮かぶワンダをめがけて、湖の中から襲ってくる数十メートルのウナギ。おお、思い出すだけで怖いっ。

ずっしりとした重量感のある巨大なウナギが体をくねらせながる泳ぐ姿たるや・・・。当時叫びながら戦った記憶がありますね。

水中ステージに潜む魅力

ここまでわたしの思い出のゲームを紹介してきました。わたしは水中ステージは嫌いですが、水中ステージには男のロマンが詰まっているとも思います。

冒険心をかきたててくれる水中ステージ。それは未知なる世界への挑戦にほかなりません。さあ、あなたもテレビゲームの水中にチャレンジしましょう。人間の原初の恐怖と、本能の叫びを体感しましょう。

水中が怖いテレビゲームがあったら、ぜひ教えて下さいね。プレイしてみます!

宗教について入門書で学ぼう【アニメや漫画や映画で登場する宗教の言葉】

日本人であるわたしたちは、とにかく海外の宗教事情にうといものです。確かに日本国内にいる限り、宗教について特に知識がなくても、それほど苦労することはありません。

でも、世界の宗教を教養として勉強しておくと、とても役に立ちます。

これから先の時代はどんどんグローバル化が進むため、一般人であるわたしたちも海外との接点が増えてくるでしょう。ビジネスで外国人と付き合うことだって珍しくありません。

グローバル化と宗教

外国人観光客は街中に溢れていますし、ファーストフード店なんかに行くと大勢の外国人がアルバイトをしていますよね。

グローバル化は、世界を股にかけるエリートビジネスマンだけではなく、わたしたち普通の庶民の間にもかなり近づいているのです。

そういったとき、共通言語として世界の宗教を学んでおくことが重要なのです。

では、どうやって宗教について学べばいいのでしょうか。興味もないことを学ぶのは苦痛ですよね。でも、わたしたちはアニメや漫画が大好き。そこから宗教に興味を持てばいいのです。

わたしたちが愛してやまないアニメや漫画といった創作物には、たくさん宗教の言葉が出てきます。そうした言葉を目にしたとき、その背景の知識があるのとないのとでは、物語の楽しみ方が全然違ってくるのです。

例えば、有名なアニメ『新世紀エヴァンゲリヲン』では、「使徒」「アダム」「イヴ」といったキリスト教の言葉が登場しますよね。そもそも「エヴァンゲリヲン」という語は、「福音」という意味のキリスト教の単語です。

スタジオジブリ作品の『天空の城ラピュタ』では「ラーマヤーナ」「インドラの矢」といった単語が登場します。これはインドのヒンドゥー教の言葉です。

サブカルチャーをより深く楽しむためには、いろいろな知識を持っていたほうが良いに決まっています。とりわけ宗教の知識があるのとないのとでは、作品の理解度もグンと変わってくるのです

ですから、まずはアニメや小説で知った言葉から、どんどん勉強していけば良いと思うのです。今日は、そんな宗教の勉強に役立つ本を紹介したいと思います。

無宗教でも知っておきたい宗教のことば

今回紹介するのは、こちら朝日新聞出版から発売されている『無宗教でも知っておきたい宗教のことば』という本です。書店に行くとさまざまな宗教の入門書が並んでいますが、まずはこの一冊からで良いでしょう。

若い世代にとっては、宗教の知識はもはや不可欠だ。海外を旅行するときはもちろん、これからは、仕事をするうえで海外とかかわることも増えるだろう。そうした中で相手の宗教と直面することになる。欧米のビジネスパーソンとやりとりをするうえでは、キリスト教的な考え方を知っておくべきである。また、アジアでは、今やイスラム教の世界と出会うことは珍しくなくなった。目の前で礼拝をはじめたら、どうしたらいいのか。断食月には、どう対処したらいいのか。それは切実な問題で、下手に対処すると、軋轢を生むことにもなりかねない。

『無宗教でも知っておきたい宗教のことば』より引用

著者の島田裕巳さんは、東大卒の宗教学者。極端に偏った宗教の見方ではなく、ふかんした立場から、それぞれの宗教を解説しています。

「映画・アニメ・ゲーム・芸術・文学に出てくることば」という章があるので、非常に面白いです。

サクッと読める

この本は、キリスト教やイスラム教の歴史を長い文章で解説するものではありません。見開き2ページを使って、ひとつのキーワードを解説していくという形式になっています。

このため、自分の興味のある分野をつまみ食いすることができるので、気軽に読み始めることができるのが特徴です。

見開きで気軽に読める
優しい語り口なので、スラスラと読めてしまうのも大きなポイント。まずは、この本で概要をしっかり把握してから専門書を読むのもの良いと思います。

f:id:plusbu:20171123214333j:plain

キーワードに関連する写真や表が豊富に使われているので、ビジュアル的に理解することが可能です。関連後もかなりたくさん紹介されているので、脇の知識も増えますよ。

その言葉の英語表記もしっかり載っているので、面白いですよ。辞書的に使うのも便利かもしれませんね。

見開き2ページで、ひとつのキーワードについて解説しているため、とても読み進めやすいのが特徴です。200ページほどのコンパクトな書籍ではありますが、80以上の多数のキーワードを載せています。全6章という章立てです。

常識として知らないとやばいことば

第1章は「常識として知らないとやばいことば」です。以下のキーワードについて解説しています。

  • 一神教と多神教
  • 旧約聖書と新約聖書
  • 天地創造
  • アダムとイヴ
  • 原罪と贖罪
  • イエス・キリスト
  • 処女懐胎
  • 十戒(モーセの十戒)
  • 預言者
  • メシア
  • 三位一体
  • 使徒
  • 最後の晩餐
  • パウロ
  • パンと葡萄酒
  • 十字架
  • アッラーとクルアーン
  • 六信五行
  • カリフ
  • ブッダ(ゴータマ・シッダールタ)
  • 如来と菩薩

まず第1章は最低限の教養です。基本中の基本のキーワードからしっかり解説してくれます。

旧約聖書と新約聖書の違い、神が世界を作ったという天地創造のおはなし、最初の人類アダムとイヴなど、基礎的な知識からしっかりと学ぶことができるのです。

キリスト教、イスラム教、東方正教、仏教など、基本的な世界宗教についてまんべんなく押さえてあります。幅広い知識が身につきます。

たとえば「ブッダと如来と菩薩の違い」それぞれ、わかりますか? そういった素朴な疑問も解消できますよ。

世界を知るうえで欠かせないことば

第2章は、より踏み込んだキーワードが登場します。最新のニュースや世界史の教科書でも取り上げられる重要なことばが並んでいますね。

  • 原理主義(ファンファメンタリズム)
  • WASP(ワスプ)
  • シーア派とスンナ派
  • ローマ教皇(法王)
  • 殉教
  • 天使
  • 悪魔
  • タルムード
  • 反ユダヤ主義
  • パレスチナ問題
  • シオニズム
  • ラマダーン(断食)
  • ハラールとハラーム
  • イスラム金融
  • バラモン教とカースト
  • アマテラス(天照)

中東のパレスチナ問題、反ユダヤ主義など、知らないとまずいキーワードがめじろおしです。世界情勢を見る上でも重要な言葉ですよね。

「天使」や「悪魔」の解説ではアニメや漫画でおなじみの「大天使ミカエル」とか「大天使ガブリエル」といったことばについて解説がなされています。

使い方を間違えると危険なことば

第3章は、デリケートなキーワードの解説です。

  • イスラム原理主義(過激派)
  • ジハード
  • カルト
  • 異端
  • 十字軍
  • 宗教改革
  • 大乗仏教と小乗仏教
  • 魔女狩り

使い方を間違えると、あらぬ誤解を生んでしまうことばたち。ここでしっかりとその本来の意味を学んでおきましょう。

魔女狩りの凄惨な歴史について知ると、気軽にこの言葉は使えなくなりますね・・・。

この章のコラムでは、なにかと話題になる「靖国神社問題」についてもわかりやすく解説されています。

日常での意味と少し異なることば

いつも使っているけど、本来の意味はちょっと違う、宗教のことばたち。

  • 偶像(アイドル)崇拝
  • 洗礼
  • 受難
  • 因果と縁起
  • 業(カルマ)と煩悩
  • 極楽浄土と娑婆
  • 他力と自力
  • 悟りと涅槃
  • 戒名
  • ご利益
  • お盆
  • 瞑想とヨーガ
  • 癒やし(ヒーリング)
  • 聖地巡礼
  • 聖人

カルマとか、洗礼とか、聖地巡礼とか・・・。よく耳にしますよね。でも実際はどういう意味なのでしょうか。そのルーツを探ります。

映画・アニメ・ゲーム・芸術・文学にでてくることば

この章は特に面白いですよ。作品のモチーフを知ることができます。

  • 福音(ユーアンゲリオン)
  • エデンの園
  • ノアの方舟
  • 七つの大罪
  • 黙示録(ヨハネの黙示録)
  • バベルの塔
  • ソドムとゴモラ
  • ダビデとゴリアテ
  • 西遊記
  • ヴィシュヌ神
  • シヴァ神
  • メメント・モリ
  • ツァラトゥストラ

一気に基礎知識を身に着けてしまいましょう。アニメや映画を観るときの理解度がかなり変わってくると思いますよ。

知ってるようでよくわからないことば

第6章は、よくわからないことばの解説です。

  • 「ハレルヤ」と「アーメン」
  • 『般若心経』
  • 阿修羅
  • 輪廻転生
  • 三途の川
  • 曼荼羅
  • 密教と顕教
  • 檀家
  • 諸行無常
  • 神仏習合
  • 現人神(現御神)
  • ニューエイジ
  • シャーマン

まとめ

今回は『無宗教でも知っておきたい宗教のことば』という本の紹介でした。

この本は、こんな人におすすめです。

  • ざっくりと宗教の基礎知識を学びたい
  • アニメや漫画が好き
  • 長い文章はあまり読みたくない
  • サクサクと読みすすめたい
  • 世界史の復習をしたい
  • 教養として宗教を知っておきたい

とにかくテンポよく読めるにも関わらず、かなり詳しく、そして網羅的に解説がなされているので、身につく知識の総量はかなりものになるでしょう。

宗教についての本を読もう
さらに宗教について勉強したい方は、まずはこういった入門書で宗教について幅広く学んで、ピンポイントで興味を持った分野について、さらに詳しい専門書で学んでいくのがおすすめです。

クリスマスもハロウィンもごちゃまぜで楽しんでいるわたしたちですが、その背景には宗教が存在しています。

宗教を知るということは、わたしたち人類の生き方と歴史を知るということです。この本をきっかけに宗教について勉強してみてはいかがでしょう。

Fateを見る順番【どれから見ればいい?】

近年、ますます人気を増しているFateシリーズ。ソーシャルゲーム、劇場版アニメ、TVアニメ、小説、などなど、作品の世界が多方面に広がっており、一体どこから手を付ければいいのか分らないという人がかなり多くなっています。

2017年現在、Fateシリーズはもはや遊び尽くせないほどの莫大なコンテンツ量となっており「今までFateシリーズを知らなかったけど、これからFate作品を見てみたい、Fateに触れてみたい」という人を完全に置いてけぼりにしています。

Fateシリーズ

出典:Amazon商品ページ

そこで今回は、これからFateシリーズを見てみたいという方に向けて、おすすめの順番をご紹介したいと思います。

スピンオフ作品や枝分かれした外伝などが異常に多いのもFateの特徴ではありますが、今回は「ここまでわかっていればOK」という大筋の流れについてまとめてみました。

①staynight(セイバールート)
②FateZero(前日譚)
③UBW(凛ルート)
④ヘブンズフィール(桜ルート)
の順番で、基本的には問題ないでしょう。

確かにシリーズを通してみると作品数が非常に多いですが、まずシリーズの大きな流れを掴んでから、好みの作品に手を出していけば良いと思います。

この記事では、アニメとゲーム、それぞれプレイすべき順番を紹介します。ネタバレは一切ありませんのでご安心くださいませ。

Fate/stay night

Fate/stay night(フェイトステイナイト)、この作品からFateシリーズは始まりました。歴史的名作です。

Fateシリーズの根幹は、この作品で完成したといっても過言ではありません。現在ではスマホのアプリに移植されているので、手軽に楽しむことができます。

PC版

2004年にパソコン用のビジュアルノベルゲーム(アダルトゲーム)として発売されました。この作品が全Fateシリーズの原点です。

その高品質なシナリオが大きな反響を呼び、アダルトゲームとしては異例の大ヒットを遂げたのが特徴です。

成人向けのゲームではりありましたが、冒険活劇といった側面が強く、アダルトゲーム的な表現は非常に少ないのが特徴でした。(当時、こういったノベルゲームはアダルトゲームとして発表しないと売れなかった)

本作には3人のヒロインのルートが存在しており、今でもこの3人はFateの看板キャラクターとして、人気を誇っています。

  • セイバールート
  • 凛ルート
  • 桜ルート

セイバールート、凛ルート、桜ルートという、異なるシナリオが楽しめます。

ノベルゲームなので、基本的には文章を読みすすめることになります。ときおり現れる選択肢によって、その結末が変わってくるのが大きな特徴です。

Fateシリーズの原点である本作は、2004年の発売ということもあり、今では対応しているパソコンが少ないのが現状です。そのため、今からPC版を購入するのはあまりおすすめしません。

ちなみにPC版にはボイスが収録されていないので、キャラクターの声を楽しむことができません。この点は注意が必要です。

全年齢版 フェイト/ステイナイト[レアルタ・ヌア]

初代のPC版の『Fate/stay night』を全年齢版にした『フェイト/ステイナイト[レアルタ・ヌア]』がPS2で2006年に発売されました。その後、PSvitaやスマホのアプリとしても発売されています。本作にはボイスが収録されています。


全年齢対応となったことで過激な描写はなくなり、違和感のないマイルドな描かれ方に差し替えられています。PC版に存在したいくつかのシーンは差し替えられていますが、基本的なストーリーの流れは全く同じなので、ほとんど気にする必要はありません。

PC版と同様に、セイバールート、凛ルート、桜ルートが楽しめます。これら3つのルートに加えて全年齢版では、もうひとつおまけ的なエピソードが入っています。

この3つのルートをすべて遊べば、Fateシリーズの深いところまで理解することができます。

サーヴァント、聖杯、令呪、セイバーやアーチャーの正体、そして聖杯戦争の秘密、など、しばしば話題になるFateのテーマについて一気に把握することができますよ。

とりあえず本作を最後までクリアすれば、Fateシリーズの大まかな流れにはついていけるようになっていると思います。

今からプレイするならスマホ版がおすすめ

今からプレイするならスマホアプリ版がおすすめですね。セイバールートは無料でプレイできます。凛ルート、桜ルートについては、それぞれ1600円を支払うことで遊ぶことが出来るようになります。

スマホでステイナイト!Fate/stay night[Realta Nua] iOS/Android版 公式サイト


スマホならいつでもどこでも、気軽に遊ぶことができるので非常に快適です。寝転がってベッドの上でプレイするのが楽です。

ボリュームがすごいので、時間がかかる

今からFateシリーズを始めるなら、スマホアプリがおすすめと言いましたが、この作品は、ストーリーが非常に長いのが特徴です。

とにかく文章量が驚異的に多いので、読み進めるのに時間がかかります。その人のプレイスタイルにもよりますが、ひとつのルートにつき20時間弱はかかります。

3つのルートをすべてクリアするには、50時間から60時間くらいかかると思っておいたほうが良いでしょう。

フルボイスなので、声を全部聴きながら進めていくと、想像以上に時間がかかってしまうのです。こうしたこともあり、ボリュームが多くて楽しいと考える人もいますが、文章が長ったらしくて冗長であると考える人もいます。(癖のある文章がくどいと感じる人もいるようです)

スマホアプリ版であれば、無料でセイバールートをプレイできるので、一度どんな感じか試してみると良いでしょう。

時間がない人にはアニメ版がおすすめ

ゲームが苦手な人、時間のない人、せっかちな人には、アニメ版のFateをおすすめします。

セイバールート

2006年に放送されたスタジオディーンによる作品です。

ディーン版と呼ばれており、全24話でセイバールートを描いています。(一部、ほかのルートのエピソードが織り交ぜられているので、完全に原作のセイバールートを再現しているというわけではない)

Fateシリーズ初のアニメ化で、Fateのキャラクターに初めてボイスが付いた作品でもあります。この作品でキャラクターを担当した声優は、現在でもFateシリーズの第一線で活躍するなど、後のシリーズ展開に大きな影響を与えた作品なのです。

2006年の作品ということもあって、ちょっと古くさい演出が気になる箇所もありますが、全体的に非常に出来の良い作品となっています。とりわけ原作の空気感がしっかりと生きており、原作に登場する見せ場については、美麗なアニメーションで忠実に再現されています。

全24話なので、おおむね12時間程度で見終わることが出来ます。このため、原作のセイバールートをクリアするよりもやや早く見終わることができると思います。

ちなみにAmazonのプライムビデオで全話公開されています。Amazonプライムに加入している人は、プライムビデオで一気に観てしまうのが良いです。

凛ルート

凛ルートは現在、2つの映像化がなされています。凛ルートの正式名称は『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』。通称UBW。2010年の映画と、2015年のテレビ版があります。

UBWは主人公の士郎を主題にした物語でもあります。

スタジオディーンによる劇場版

まず、ひとつめが、スタジオディーンによる劇場版です。

こちらは2010年に公開されました。105分という短い上映時間もあり、かなりスピーディな展開です。

原作の凛ルートを尺に収めて映像化するにあたり、カットされている部分が多いので、この作品はあまりおすすめしません。2015年に全26話でじっくりと凛ルートを描いたアニメ版が放送されたため、あえてディーン版の凛ルートを観る必要がなくなってしまったのです。

ただし、非常に高品質なアニメーション作品であることは間違いありません。

ufotableによるアニメ版

2015年に放送されたufotableによる作品です。

ディーン版に比べると、キャラデザインが、かなり「今っぽい」印象を与えます。ディーン版をしょう油とすれば、ufotable版はデザインが塩っぽいというか、スマートな感じになっています。

全26話ということもあり、原作のストーリーを丁寧に再現しています。そして何より、作画がすごいです。キャラクターがとてもよく動くのが特徴で、背景美術も美しいので、その映像美は一見の価値ありです。

桜ルート

桜ルートについては、2017年現在、ufotableによる全三部作の第1章が公開されています。

ステイナイトのストーリーの核心にせまる桜ルート。ufotableによる美しい映像で、大ヒット上映中です。

ヘブンズフィール
出典:劇場版「Fate/stay night[Heaven's Feel]」| 第一章 絶賛公開中

第2章は2018年に公開予定です。

Fate/Zero

ステイナイト本編の10年前を描くスピンオフ作品です。

『まどか☆マギカ』などで知られるシナリオライター、虚淵玄による小説が原作です。

もともとFateの世界観を気に入っていた虚淵玄が、設定を引き継ぐ形で書いた小説がFateZeroなのですが、非常に完成度が高く、アニメ化されることになったのです。

2011年に放送され、非常に大きな反響を呼びました。制作はufotable。

時系列的にはステイナイトの本編より前の時代のストーリーではありますが、ステイナイトに関連する重要なネタバレが多いので、先に本作『Fate/Zero』を観てしまうと、セイバールートなどステイナイトの楽しみが半減してしまいます。

スピンオフ作品ではありますが、とても高水準でまとまった作品になっており(ステイナイトより万人受けしやすいような展開になっていたこともあり)この作品で初めてFateに触れたファンと、ステイナイト時代からのファンが衝突するようなことも起きたとか、起きなかったとか。

Fateシリーズのなかでは非常にわかりやすく燃える展開の作品なので、ずば抜けてとっつきやすい作品と言えるでしょう。作画もしっかりしています。ufotableの今風のデザインもヒットの要因かもしれません。

Amazonプライムビデオで見放題

Fate /Zeroについては、Amazonプライムビデオで全話が見放題です。Amazonプライムに加入している人は、一気に視聴してしまいましょう。

まとめ

個人的におすすめする鑑賞の順番は、下記のとおりです。

アニメでFateの流れを知りたい人は、こんな感じで良いでしょう。

(最初にFate/Zeroを観ても良い。ただしネタバレが多い)

  1. ディーン版のステイナイト(セイバールート)を観る。
  2. Fate/Zeroを観る。
  3. ufotable版のUBW(凛ルート)を観る。
  4. 桜ルートはスマホ版のアプリでプレイする。(劇場版を公開中だが、全三部作なので、完結まではまだ時間がかかる)

時間がかかってもいいので、Fateシリーズの世界にしっかりと浸かりたい人は、最初からゲームを楽しむことをおすすめします。

  1. スマホアプリ版でセイバールート、凛ルート、桜ルートをクリアする
  2. 必要に応じて、Fate /Zeroを観る。(より重層的な理解につながる)


さらにステイナイトの正当な続編として『Fate/hollow ataraxia』があります。もともとPCゲームとして発売されました。ファンディスクの意味合いが強いです。近年ではPSVitaなどで発売されています。

とまあ、非常に作品数が多いシリーズではありますが、まずは本編の流れを抑えれば大丈夫です。基本的にはステイナイトとFate /Zeroを押さえておけば、概ね問題ありません。

その後、プリズマ☆イリヤやApocryphaといった派生作品に手を出していくのがおすすめです。

牧場物語のパクリかと思いきや傑作『Stardew Valley』がおすすめな4つの理由

牧場物語ブラッシングシーン
みなさんは『牧場物語』というゲームをご存知ですか?

スーパーファミコンのソフトとして1996年にパック・イン・ビデオ(現・マーベラス)より発売されて以降、人気を博しシリーズ化もしているテレビゲームです。

わたしも第一作が発売されてから長い間、『牧場物語』シリーズのファンでした。特に、初代『牧場物語』や『牧場物語 ハーベストムーン』『牧場物語3 ハートに火をつけて』『牧場物語 しあわせの詩』などは何十回とプレイをしてきました。

しかし最近の『牧場物語』シリーズの作品は、時代の流れなのかやや雰囲気が変わってきており、少し残念に感じています。

不満に感じているのは大きく2つ。一つ目は『牧場物語』シリーズ最大の魅力の一つである「キャラクター」についてです。

牧場物語つながる新天地キャラクター

上のイラストは、2014年発売の『牧場物語 つながる新天地』の恋人候補たちです。

多岐にわたるユーザーの好み・趣向を網羅しようとするあまり、デザイン全体に通底する芯が欠けているように感じます。 それぞれのキャラクターたちが、同じ町に暮らす住人同士だとはとても思えません。

ひとりひとりの世界観が、あまりにも違いすぎるというか・・・。

また、『牧場物語』がもともと持っているほのぼのとした世界観がぶれ、いわゆる「アニメ的な萌え」を半端に取り込んでしまっているように思うんですよね。

スポンサーリンク

 


キャラクターたちが本当に生きているようには感じられず、作られたキャラクターであることがひしひしと伝わってくるわけです。

そもそもキャラクターが暮らす村は、どういった文化を持ち、現代世界ではどういった年代で、どのあたりの地域に位置しているのか、といった世界設定の想定が不十分なのだと思います。

二つ目の不満点としては、自由度です。
スーパーファミコンの初代『牧場物語』を初めてプレイしたとき、「なんだこの自由なゲームは!」と驚いたことを憶えています。

当然、初代をいまプレイしてみればいくつも不便な点は見つけられます。でも、そこには「やらされているのではなく、自分でやれることを探していく」という楽しみがたしかに存在していたのです。

近年の『牧場物語』作品は、要素を増やそうとするあまりプレイヤーに作業を強いることが増えているような気がします。当然、完全な自由度の中に放り出されてしまってもプレイヤーは戸惑ってしまうことが多いので、ある程度の道筋を示すことは重要だと思います。ところが、現状ではあまりに作業感だけが増してしまっているんですよね。

そういった理由からわたしは最近の『牧場物語』シリーズにはなかなか手を出しづらくなっているところなのです。

が、そんなとき、あるゲームを見つけました。

その名も『Stardew Valley(スターデューバレー)』

Stardew Valley

何よりもわたしの目を引いたのは、このゲームの作者が『牧場物語』の大ファンで、たったひとりで5年間かけてこのゲームを制作した、という情報でした。

発売から2か月足らずで100万本を売り上げたほどの人気ゲームだということも知りました。

Stardew Valley

このプレイ画像、『牧場物語』ファンの方であれば「似てるっ!」と思われるのではないでしょうか。 お察しの通り、基本的なゲーム内容は全く同じと言っても過言ではありません。

  • 畑を耕し、家畜を育て、できた作物や製品を出荷し、お金を稼ぐ。
  • 稼いだお金で牧場を拡張していく。
  • 住民たちと交友を深め、町の問題を解決していく。
  • 恋人候補と交友を深め、結婚する。


主なゲームの流れは以上の通り。あちらこちらから作者の『牧場物語』への愛が伝わってきます。

それではここから『Stardew Valley』をプレイするべき4つの理由を述べていきたいと思います。

1.初代『牧場物語』に決して負けないほのぼの感

winter

上の画像からもお分かりになるかと思いますが、2Dドット作品ならではのほのぼの感がこの作品全体を包んでいます。

それでいて初代『牧場物語』に比べて圧倒的なボリュームです。初代の雰囲気でプレイしたいけど、いまからやるにはちょっと古い、というジレンマを解消してくれているのです。

Stadew Valley

舞台になる町は自然に囲まれた田舎です。日本が舞台ではありませんが、そこは本家『牧場物語』と同じく、どこか共感できるノスタルジーが作品のあちこちに散りばめられています。BGMも郷愁をかきたてるものばかりで大変すばらしいです。

2.人間味のあるキャラクターたち

Stardew Valley

(画像のセリフは英語ですが2017年4月に日本語を含む多言語化も行われているため、日本語でのプレイができます)

登場するキャラクターそれぞれにきちんとした背景が用意されています。

彼や彼女たちにはそれぞれ抱えている悩みがあります。しかしそれらはとってつけたようなものではなく、この現代社会で生きる人ならば誰もが直面する悩みばかりなのです。

田舎に嫌気が差しているヘイリー、芸術家としてこの町にIターンしてきたものの今後に悩むリア、スーパーの従業員としてうだつのあがらない自分に悩むシェーン。

きっと共感できるキャラクターがいるはずです。


Stardew Valley Joja
そもそも主人公の設定が、「大企業で働いているものの、心身を病みかけている」というところから始まります。そんなあるときに祖父が残してくれた手紙を思い出し、それを頼りにかつて祖父が暮らしていた牧場のある「Stardew Valley」に向かうというのが物語のオープニングです。

この始まりだけでも胸に刺さるものがある人も多いのではないでしょうか。

スポンサーリンク

 

3.奥行きのある世界・自由度の高いゲーム内容

cave
作品内でできることは数多くあり、単純に金策を挙げるだけでも、牧場の耕作、家畜の飼育、釣り、鉱山での採掘、野山での採集、町の住人から受ける依頼をこなす、など多岐にわたります。

また、『牧場物語』シリーズの派生シリーズ『ルーンファクトリー』のように、モンスターや戦うための武器なども登場します。『牧場物語』シリーズでできることでこのゲームにできないことはほとんどないでしょう。

kiss
また、『牧場物語』シリーズと同様、作品内では結婚をすることができ、子どもを授かることもできます。

しかしさすが現代の(かつ先進国の)ゲームならではの点として、結婚をするパートナーは異性でなくても良い、という特徴があります。

すなわち男性6名、女性6名のパートナー候補計12名のキャラクターから選ぶことが可能なのです。(同性選択時の場合、子どもは養子ということになります)

4.PCゲームだからこその拡張性

steam
このゲームはSteamというプラットフォームサイトでのDL販売となっています。そのためPCでプレイすることになるのですが、ゆえに、様々なmodが存在しています。

ゲーム内の細かな不便な部分を改善してくれるmodなども多くあり、どうしても作業感が拭えない部分はmodで解消するという方法があります。ただ、それらはどうしてもゲームバランスを崩しがちになってしまう部分もありますので、あまりあれもこれもと導入することはおすすめしません。

そのかわりにおすすめしたいのが、キャラクターのビジュアルを変更するmodです。

『Stardew Valley』のキャラクターたちはやや古臭いデザインなところがあり、人によっては好みからは外れてしまう場合があります。

Stardew Valley
そんなときは大量に存在しているビジュアル変更modから好みのものを選び、導入することで、ゲーム全体のイラストが差し替わります。

おすすめはEinari’s Portraits。

ほどよくかっこよく、かわいくなります。男性キャラがかっこよすぎるのが嫌であれば、女性キャラだけ変更する、といったことももちろん可能です。

ちなみに筆者一押しは右下のペニー。かわいいです。

male

female

以上、『Stardew Valley』の魅力について語ってきましたが、本当はこのようなゲームが日本のメーカーから発売されることを願いたいところです。

『牧場物語』の1外国ファンが、たったひとりでこれほどまでに面白いゲームを生み出せるのは、いまの時代性を映し出しているといえます。しかし、本家『牧場物語』にはこういった作品に負けない新作をぜひとも作って欲しいですね。

スポンサーリンク

 


この『Stardew Valley』ですが、海外向けにNintendo Switch版が10月5日にリリースされました。(PS4版、XBOX ONE版はすでに北米版が発売済み)

日本での展開については,今後の情報に期待といったところでしょうか。ちなみにSwitch版は発売から1日で世界中のeShopでベストセラーゲームにランクイン、各国でランキング1位を獲得しています。

現在プレイをしたい場合はSteamで 1,480円で購入することができます。Windows、Macどちらでもプレイ可能です。セール期間中などは格安で購入することができるので、ぜひチェックをしてみてください。


Stardew Valley Trailer

社会人が使いたいドラクエの呪文ランキングを発表します

最新作のドラゴンクエストⅪ、面白いですよね。みなさんは遊んでいますか?

ドラゴンクエストの呪文が現実世界で使えたら、きっと便利だろうな。ドラクエを遊ぶたびにそう思ってしまいます。

ドラクエの呪文はめちゃくちゃ数が多くて、100種類以上の呪文が存在します。今回はそんなたくさんの呪文のなかから、現実で使いたいランキングをつくってみたので、ご紹介したいと思います。

社会は厳しいですからね。厳しい社会を生き残るための呪文として、一番ふさわしい呪文は何なのか語っていきたいと思います。一部、呪文ではなく「とくぎ」がランクインしていますが、ご容赦ください。

第10位 ピオラ

まず、第10位はピオラです。この呪文を使うと、素早さがあがります。素早さが上がるということは、つまり足が早くなるということです。

足が早くなれば、いろいろな場面で有利に立ち回ることができます。

  • 苦手な上司から逃げるとき
  • 嫌な案件から逃げるとき
  • マラソン大会のとき
  • 徒競走のとき
  • 電車に間に合わなそうなとき

わたしは昔から足が遅かったので、ぜひ使ってみたいです。

第9位 ドラゴラム

第9位はドラゴラムにしました。この呪文はひとたび唱えると、自分自身が巨大なドラゴンに変身して暴れまわるというものです。ウルトラヒーローみたいなものですね。

ドラゴラム
ちなみドラゴンに変身すると、火が吹けるようになります。圧倒的火力!

この呪文は、強大な権限を持つ上司への抑止力になるほか、いざとなれば職場を破壊することも可能です。安定感は抜群でしょう。

ただし、ドラゴンになると理性が失われてしまうので、自分で制御することはできないようです。

いわゆる諸刃の剣です。諸刃のドラゴンです。

第8位 マヌーサ

第8位はマヌーサです。この呪文は、敵に幻を見せるという撹乱系の呪文です。マヌーサを使いこなせば、実生活を有利にすすめることができるでしょう。

  • 上司を煙に巻くことができる
  • 詰め寄ってくる顧客を煙に巻くことができる

なんと便利な呪文でしょう。マヌーサを使うことで、降りかかるリスクを未然に防ぐことができるのです。すばらしい。

一体いつからマヌーサを使っていないと錯覚していた?

第7位 イオナズン

第7位はイオナズンにしました。この呪文は、「想像を絶する大爆発」を引き起こす、爆発呪文です。イオ系統の呪文の最強呪文です。(最近はイオグランデというより上位の呪文も登場した)

イオナズンの使い手となってしまえば、もはや何も恐れるものはありません。世界格闘選手権のトップランカー間違いなしです。

応用の範囲も幅広く、

  • 職場にイオナズンを放つことで、職場を破壊することができる
  • プレッシャーをかけてくる上司への抑止力になる

まさにサラリーマンの強い味方となるポテンシャルを秘めた呪文といえるでしょう。エクスプロージョン!ドラゴラムと違って、理性を失うこともありません。

しかし、国際的に指名手配されることになると思われるので、諸刃の剣です。諸刃のイオナズンです。

やはり武力や火力に頼るのはよくないようです。ここから先は、比較的安全な呪文がランクインしています。

第6位 モシャス

第6位はモシャス。この呪文を使うと、なんと他人そっくりに変身することができるのです。いわゆる変身呪文です。名前の由来は「模写する」だそうです。

他人に変身すれば、あんなことやこんなことが自由自在です。もはやその用途は言うまでもありませんね。

  • 嫌いな上司に変身して悪事を行う
  • 苦手な先輩に変身して悪事を行う
  • うるさい上長に変身して悪事を行う

他人に変身して悪事を行うことで、濡れ衣を着せることができるのです。これで苦手な上司ともおさらばです。

第5位 レムオル

第5位はレムオルにしました。ドラクエ3にのみ登場した珍しい呪文です。この呪文を使うとなんと姿が消えてしまい、周囲からは認識されなくなります。

つまり、透明人間になれる呪文なのです!インビジブル!

レムオル
透明人間になるのは、人類共通のロマンです。その用途は、もはや言うまでもありませんね。

  • 嫌いな上司にいたずらするとき
  • 苦手な上長にいたずらするとき
  • 残業せずにこっそり逃げるとき
  • 怒り狂う上司から逃げるとき

なんて便利な呪文でしょう。どんどん透明人間になりましょう。

第4位 ベホマ

第4位はベホマにしました。この呪文は、HPを完全回復させるという最強の回復呪文です。

つまり、体力や外傷が一瞬で回復する呪文であると考えていいでしょう。

  • 上司の引っ越しにつきあわされて体力を消耗したとき
  • 大怪我をしたのに会社が労災認定してくれないとき
  • 残業でボロボロになったとき
  • 報告書の執筆で疲弊しているとき
  • ディズニーランドでアトラクション待ちをして疲れたとき
  • 寝不足で疲れがとれていないとき

など、その応用の範囲は幅広く、人生のあらゆる局面で使用することができるでしょう。

クソみたいな社内の運動会でも、圧倒的な回復力を実現することができるので、日頃のうっぷんをはらすことができることでしょう。

第3位 ひかりのはどう

第3位はとくぎ「ひかりのはどう」です。このとくぎは、光の波動を放ち、人体のあらゆる状態異常を完治させるという強力なものです。

毒、麻痺、混乱、呪い、などその対象は幅広いので、とても応用が効くとくぎとなっています。

ひかりのはどう
ひかりのはどうが使えれば、風邪、インフルエンザ、下痢、各種ウィルス、食あたり、といった疾病を瞬時に完治させることができる!すごい!

もはや病院に行く必要がありません。医療保険もいりません。

混乱にも効くので、精神系の疾病にも対応できそうです。

  • 嫌味を言ってくる上司のせいで、心療内科に通うことになったとき
  • 残業つづきで風邪をひいたとき
  • ストレス性の胃腸炎になったとき
  • やけ酒で腎臓の調子が悪くなったとき

など、人生につきまとうあらゆるストレスから救ってくれることでしょう。ガン細胞は毒なので、まず死滅させることができるでしょう。虫歯もぎりぎりいけるかな。

ウィルスとか菌は、だいたい「毒」に該当すると思うので、たぶん完治するんじゃないかなと思います。あと、動物の毒はだいたい無毒化できると思います。

上司命令で海外の危険地域に飛ばされても大丈夫です。

  • フグの毒を摂取したとき
  • スズメバチにさされたとき
  • アンボイナ貝にさされたとき
  • マムシやハブにかまれたとき
  • カツオノエボシをさわったとき

ひかりのはどうが使えれば、もはや血清も抗生物質も要りません!危険地帯でも安心です。

麻痺も完治させることができるので、重篤な慢性疾患も大丈夫。心臓麻痺にも対応できるはずなので、デスノートに名前を書かれてもへっちゃらです。

呪いも大丈夫

ひかりのはどうは、呪いをも無力化します。つまり安心して心霊スポットに行くことができるのです。怨霊から呪われてしまっても大丈夫!

誰かから呪われてしまっても、自前で解呪することができるのです。お祓いに行く必要もありません。上司から「末代まで呪ってやる」といわれても平気です。

外傷には効果がない

おそらく切り傷とか打撲、骨折などを治療することはできないと思います。逆流性食道炎も多分だめでしょう。

第2位 ザオリク

第2位は蘇生呪文のザオリクです。死んだ人を生き返らせるというすさまじい呪文です。もはや奇跡です。

ゲームのなかの描写を見ていると、寿命で亡くなった人には効果はなさそうです。

戦闘、事故、病気などで亡くなった人間には効果がありそうです。人間が古来から夢見てきた、死者蘇生。そんな人類の夢を叶えてくれるありがたい呪文なのです。

ザオリクが使えれば、日本中の過労死も根絶することができるでしょうか・・・?

第1位 ルーラ

第1位はルーラにしました。

ルーラは、超高速で空を飛ぶ呪文です。行ったことのある場所なら、瞬時に飛んでいけるという超便利な呪文なのです。

お金と時間が節約できる

ルーラがあれば、通勤・通学も苦になりませんよね。一回でも訪れたことがあれば、後はいつでも飛んでいけるのです。交通費も時間も節約できるという優れものです。

たとえ北海道や沖縄に実家があったとしても、東京のオフィスに実家から通うことが可能なのだ!家賃も生活費も浮く!住宅手当や交通手当が支給されなくても大丈夫!

例えば札幌から東京駅のオフィスまで、毎日通うとなると、新千歳空港から航空機を経由し、羽田空港に降り立ち、京急・JRと乗り継ぐ必要があります。

この間、実に4時間18分!料金にして、39,432円!往復すれば8万円!

ルーラが使えれば、無料であっという間に飛んで行くことができるのだ!すごい!早起きする必要もありません。

嫌なことから逃げられる

「うわー、今すぐ逃げ出したいなぁ」というときがありますよね。そういう時にルーラを使えば、すぐに逃避行することができます。

  • 上司に叱られたとき
  • 残業をしたくないとき
  • 仕事でミスをしたとき
  • アルバイトをばっくれるとき
  • 悪漢に襲われたとき
  • 野生のヒグマに襲われたとき

逃げ出したいときは、すぐさまルーラ!さっさと逃げ出してしまいましょう。

ルーラ

高速でとびまわれ!

屋内だと頭をぶつける

超高速で飛ぶ呪文なので、基本的に天井がある場所では使えません。オフィスのなかでルーラを使うと、その場で高く飛び上がって、頭を強打することになるだけです。そうなると上司からは逃げられません。

屋外の自動販売機にジュースを買いに行くふりをして、オフィスを抜け出してからルーラを使いましょう。

ちなみにドラクエⅪでは、屋内でもルーラが使えます。

現実からは逃げられない!

いやあドラクエの呪文が使えたら、人生はもっと豊かになるだろうなあ。そう思ってこの記事を書いていたら、3時間が経過していました。明日から仕事だし、ルーラを使って遠くに逃げ出そうかな。

おや・・・、あれは?


現実からは、逃げられない!

デロデロデロデロデロデロデロデロデンデロラン!

さあ、三連休はおわりだ。明日からも仕事がんばろっと・・・。メガンテ!

モンスター図鑑も読んでね。面白いから。

ポケモンはもともと大人向けのゲームだった

世代を超えて愛されるポケットモンスターですが、実はもともと大人向けのコンセプトをふんだんに盛り込んで作られていたということをご存知ですか?

つい最近ではニンテンドー3DSにて、『ポケットモンスター金』と『ポケットモンスター銀』が、バーチャルコンソールで配信されています。わたしにとっては思い出のゲームソフトです。

わたしが初めてポケットモンスターというゲームで遊んだのは、今から15年以上も前のこと。まだ保育園に通っていたときのことです。

当時まだ幼い子どもだったわたしを夢中にさせたポケモン。大人になった今でも、ポケモンは大好きなのですが・・・。

ポケモンはなぜ、子供だけではなく、大人さえも夢中にさせるのでしょうか?

そこには、ポケモンの生みの親である、とある男性の思いがありました。

ポケモンは大人向け?

「ポケモン?子ども向けのゲームソフトでしょ?」といった印象をお持ちの方もいらっしゃるかもししれませんが、実はポケモンは大人に向けたコンテンツとして構想されていたことをご存知ですか?

ポケモンの原案は、田尻智さんという方です。
※アニメの主人公、サトシの名前の由来は田尻さんです。まさにポケモンの生みの親!

その田尻智さんが「懐かしい少年時代の思い出を閉じ込めた」テレビゲーム、それがポケットモンスターだったのです。

今日は、ポケモンの生みの親である田尻智さんのお話です。

ひと夏の冒険

ポケモンをプレイしていて、まるで自分自身がひと夏の冒険を追体験しているかのような気分になったことがありませんか?

あっちの草むらの先には何があるんだろうとか、ここの洞窟とあそこの洞窟がつながっているんだなとか。まさに子どもの頃のワクワク感ですよね。

この草むらにはどんなポケモンが出てくるんだろう。この洞窟にはどんなポケモンがいるんだろう。

ポケモンが草むらのなかに
わたしの実家には裏山がありまして、小学5年生の頃でしょうかね、学校の友達と秘密基地をつくったことをよく憶えています。

ポケモンをプレイしているとそういった幼い頃の記憶が不思議と思い出されるっていう方は、意外といるんじゃないですか?

町田で過ごした少年時代

ポケモンの生みの親である田尻智さんは、ポケモンはご自身の少年時代の体験をベースにした作品だと明言しています。

ポケモンを作るにあたって、端的にひとこと、次のようにおっしゃっています。

具体的には、ぼくの少年時代を全部、ゲームの中に表現したいと思ったわけです。

『ポケモン・ストーリー』より引用


田尻さんのインタビューは、いろんなところで目にすることができますが、印象的なのは東京都の町田で育ったという少年時代のお話です。

町田で育ったというエピソードが、田尻さんのほとんどのインタビューに出てきます。

町田で育ちました。町田はその頃、名前だけは東京都のうちってことになっていましたけれど、まだまったくの郊外の田舎で、広々とした田んぼや森が残っていたんです。ぼくはそういうところで育って、田んぼや森で虫を取ったり、ザリガニを飼育するのが好きな子どもでした。でも、なんにでも凝ってしまうほうでしたから、虫取りなんかでもみんながやっていない方法で、効果的に虫を取るやり方を、いろいろ工夫していました。

『ポケモンの神話学』より引用

郊外のベッドタウンとして知られる東京都の町田市。

当時はまだ開発が進んでおらず、たくさん緑が残っていた頃、森のなかで昆虫採集にいそしんでいたということです。

ポケモンと少年時代
ポケモンの原点は昆虫採集だったというのは有名なおはなしですよね。

虫の捕まえ方や飼い方などを、かなり熱心に研究していた田尻さんの少年時代。

昆虫採集や自然のなかで遊んだエピソードが、ポケモンというゲームのなかに、ふんだんに取り込まれています。

とりわけ田尻さんのポケモンのエピソードで有名なのが、ニョロモというポケモンです。おたまじゃくしのポケモンです。

たとえば、「ニョロモ」っていう水モンスターがありますが、これなんかは町田の田んぼで見たおたまじゃくしから、そのまま着想しています。小学生の頃、ぼくはおたまじゃくしをすくって、よく観察していたことがあります。おたまじゃくしのおなかは、腸が透けて見えるほどに透明で、ぼくはそれをじっと見つめていた体験があります。それがひどく気になっていたんでしょう。そんなふうにして思いついたモンスターは、たくさんあります。

『ポケモンの神話学』より引用


初代のポケモンたちが妙にリアルな感じがするのは、そういった田尻さんの実体験が取り込まれているからなのでしょうね。

虫ポケモンなんて近所の山にいそうな感じがしませんか?キャタピーとかコクーンとか。

子どもながらにするどい観察力と旺盛な好奇心をもっていらっしゃったことが伺えます。とにかく何でも一番になりたかったそうで、成績も優秀だったそうです。


ポケモンのデザインを初代から担当している杉森建さんは、後にこう語っています。

「田尻から、子どもの頃のことを思い出してデザインするようにということと、モンスターたちは交換するのだから、相手が欲しくなるようなキャラクターにするようにということを言われていました」

『ポケモン・ストーリー』より引用


子どもの視点を徹底的に意識してポケモンはつくられたことがわかります。

町田という街で育った田尻さん。その経験は、「カントー地方」というポケモンの舞台にも大いに活かされています。

カントー地方

初代ポケモンの舞台は、カントー地方ですよね。カントー地方は、現実の関東地方がモデルであることは有名ですが、なぜ関東地方がモデルになったかご存知ですか?

理由は簡単で、ご自身が「関東」の町田市で育ったからです。

 ちなみにカントー地方の南に位置する、グレンタウン(グレン島)は、ご自身が少林寺拳法の合宿で、東京都内の島にいったときに「ここも東京都なの!?」とおどろいた名残りで、カントー地方に入っているそうです。

関東をモデルにしただけあって、ポケモンのフィールドって、とても身近に感じませんか?いかにも身の回りにありそうな景色・ダンジョンだとわたしは思います。

現実にありそうなダンジョン

トキワのもり、おつきみやま、イワヤマトンネル、むじんはつでんしょ、ディグダのあな。

まさに田尻さんの少年時代の遊び場がダンジョンとして、反映されているのではないかと思うのです。

トキワのもり
そこに登場するのも、かいパンやろう、とか、おとなのおねえさんとか、りかけいのおとこ、といった普通の人々。まるで近所のお兄さんやお姉さんなんですよね。

まさにひと夏の探検ですよね。とにかく少年の視点で、ゲームが進むことにこだわって、ポケモンは作られているんです。

あくまでもそれは少年時代の自分なんですよ。だから大人になってからの視線は一切入っていない。子供の視線で世界を見ると、大人とは違うように見えてくるっていう部分にこだわって作ったんです。僕は子供の頃「ちびっこ」とか「ぼうず」って言われるのがすごい嫌いで、そりゃあ大人から見ればそうなんだけど「オレはちびっこじゃない!」っていつも思ってた。で、そういうのが『ポケットモンスター』にも入ってるわけ。だからゲームに登場する少年少女のキャラクターっていうのは対等な関係なんだけど、大人はちょっと自分を見下したような言い方をするんです。でも、大人のトレーナーと戦闘のやりとりをすると、相手がちょっと見直してくれたりする。そういう人間関係を繰り返していって、自分が認められて、少しずつ成長していく。それはすべて僕の個人的な体験の再現だったわけだけれど、そこにこだわったおかげで、世界中の子供もじつはみんな似たような体験をしながら成長していってるんだと、あとになってわかってきた。

https://www.nintendo.co.jp/nom/0007/taidan1/page04.html より引用

幼いころは、子ども扱いされるのが大嫌いだった田尻さん。ポケモンの世界でも、ロケット団なんかは、プレイヤーのことを子ども扱いしてきますよね。

でもポケモンバトルで勝利すると、プレイヤーのことを見直してくれるんです。

少年時代「子ども扱い」されてくやしかった田尻さんの思い出が、ポケモンにもおおいに反映されていることがわかりますよね。

交換するということ

田尻さんは、当時めずらしかった通信交換というシステムを考案します。当時のゲームボーイでは、通信ケーブルを使った遊びは対戦やデータの共有といったものが主流でした。

そこで、ポケモンという自分の持っている生き物を交換する、という遊び方にたどり着いたのです。

このとき、交換したくなる仕組みとして、プレイヤー毎にポケモンに違いを持たせたかったという田尻さん。

その名残りが、IDというシステムなのです。

本当はプレイヤーごとにポケモンの色や姿が微妙に異なるような仕様にしたかったそうなのですが、さすがに技術的に難しいので、IDという固有の番号を乱数で作り出し、プレイヤーに割り振ったのです。

これにより、そのIDを持つポケモンは実質世界に一匹しかいないことになります。自分で捕まえた自分だけのポケモン。その証がIDなのです。

IDが違えば、そのポケモンには独自の価値がうまれます。そうなると、いろんな友達と独自の価値を持つポケモンをいっぱい交換したくなりますよね。

通信交換で進化するポケモンも、交換したくなる仕組みづくりを考えた結果うまれたものです。ひとつのソフトのなかで一匹しか捕まらないポケモンや、片方のバージョンでしか登場しないポケモンも、交換をしたくなる要素なのです。

メンコにベーゴマ、トレーディングカードなど、子どもの遊びにはいつの時代も、交換がつきものですよね。

そういう少年時代の普遍的な楽しみをとても自然なかたちでゲームのなかに落とし込んでいるところがポケモンのすごいところなのです。

ゲームの中での「交換」という行為の位置付けを見ると、田尻が何を悩み、悩んだ末にどこに行き着いたかということが、とてもよく分かります。たとえば野球選手やお相撲さんのカード、メンコ、あるいはビー玉やベーゴマでもいいのですが、これらの遊びには、「勝負」と「交換」という行為がつきものでした。勝負もしなければならないので、いつも和気アイアイに、というわけにはいきませんでしたが、自分の大事にしているカードやビー玉やベーゴマを、前から欲しかった誰かのものと交換してもらうのは、やるせなさと嬉しさの入り混じった、興奮する行為でした。(中略)しかし、です。どれほどメンコやビー玉に夢中になったとしても、1日中遊んでいたわけではありません。(中略)生活全体の中でのメンコ遊びやビー玉遊びだったのです。(中略)そして、ポケモンのゲームには、その部分が実に丁寧に描かれているのです。

『ポケモン・ストーリー』より引用

一昔前の大人たちが体験していた、交換する楽しみを見事にポケモンというゲームで再現した田尻さん。

この「交換」という仕組みが爆発的なヒットにつながったのです。

強いポケモンを友達と交換する、珍しいポケモンを友達と交換する、まだ持っていないポケモンを友達と交換する。

子どもの遊びの「交換」という要素が、見事にテレビゲームのなかで再現されていますよね。

大人に向けてポケモンはつくられた

具体的には、ぼくの少年時代を全部、ゲームの中に表現したいと思ったわけです。ぼくがあの頃に受けた知的刺激ですね。それを全部、ゲームに封じ込めたかったわけですよ。だからあれは、子どもたちにっていうよりも、実はぼくと同じ世代の人たちに、こんなことがあったでしょって、伝えたいっていう気持ちですね。でも、それが子どもたちにも伝わったわけですよ。子どもの世界は変わらないっていうかね、時代が変わっても、子どもが面白いと思うことは同じなんですね」

『ポケモンストーリー』より引用

実は田尻さんと同世代の大人たちに向けて、ポケモンはつくられていたんですね。どうりで、妙にブラックなジョークもあるわけです・・・。

ポケモンの発売は1996年。1965年生まれの田尻さんは当時31歳です。つまり、同世代の30歳くらいの大人たちの共感を呼ぼうとしたのです。

その結果、その懐かしい世界設定が、現役の子どもたち(1990年前後にうまれた現在20〜30歳くらいのわたしたちの世代)にバカ受け。


ご自身の少年時代のエピソードを凝縮させて、大人に向けて作られたポケットモンスターという作品。現在では小さな子どもから大人まで、幅広い世代が楽しむコンテンツとなっています。

人類共通の「少年時代」という要素がぎっしりと詰まったポケモンは、結果としてあらゆる世代の心に響いたということですね。


子どもたちには目新しく映り、大人たちにはどこか懐かしく見える世界。
それが世界中で愛されるポケモンの秘密なのかもしれません。

金・銀以降は、ポケモン開発の第一線からは退いていらっしゃるようですが、田尻さんのDNAは最新のポケモンにも脈々と受け継がれていくことでしょう。

これからも懐かしくて新しいポケモンワールドは、世界中の子どもと大人を魅了していくのだろうなと思います。

いくつになっても、少年時代の冒険が楽しめる世界。
そんな世界がポケットモンスターシリーズに貫かれたコンセプトなのです。

【おまけ】ポケモン・ストーリーとポケモンの神話学

今回の記事を書くにあたり、田尻智さんのエピソードがかなり詳しく載っている『ポケモンストーリー』と『ポケモンの神話学』という2冊の書籍を読みました。

『ポケモン・ストーリー』は、ゲームフリークの成り立ちから、任天堂との絡みアニメ化、カード化、そしてポケモンショックについてなど、非常にディープな内容までかなり詳しく記載されているので、非常に読み応えがあります。

当時の小学生を熱狂させた、ミュウの都市伝説についても詳しく記述されています。ミュウはスタッフの遊び心からたまたま生まれた都市伝説だった、というエピソードがとてもおもしろかったです。ぜひご一読ください。

『ポケモンの神話学』は、フロイトやレヴィ=ストロースなどにも触れながら、ポケモンの論考が進みます。神話学というだけあって、ちょっと難しいかもしれないです。

機会があれば、ぜひこうしたポケモンの論考を読んでみるのもいいと思います。