立食パーティってあるじゃないですか。わたしはリアルガチのコミュ障なので、立食パーティがめちゃくちゃ苦手なんですよ。
つい先月のことです。わたしと同じ業種の社会人が150人くらい集まって立食パーティが催されました。
めちゃくちゃ行きたくなかったんですけど「同じ業界の人とお話する機会なんてめったにないんだから、行ってきたら?」と上司に言われたので、しぶしぶ行ってみたんですが・・・。
案の定、地獄絵図ですよ。
言うなれば、ひとり地獄絵図です。
予想どおり周りに溶け込めず、悲しい思いをしました。なんて日だ!
今日は立食パーティがいかにクソであるかを語りたいと思います。
ぼっちになる
立食パーティって、基本的に固定の席が無いじゃないですか。みんな自由に動き回れるという・・・。これがわたしにとっては最大のネックなんです。
みんな私の周りから消えちゃうんですよね。
最初はとりあえず同じテーブルの人とがんばって話していたんですが、
「どちらから来たんですか?」
「今日は何人でいらっしゃったんですか?」
などと、当たり障りのないふんわりとしたクソみたいな問答を繰り返します。コミュ障をいかんなく発揮してしまいました。
当たり障りのない会話ばかりしていたので、みんなどんどんわたしではない誰かと話し始めるではありませんか。
そして恐れていた事態が発生。ついにわたしの周りから人が消えました。
自分から積極的にどんどん話していかないと、あっという間に周りから人が消えていく恐怖とプレッシャー。そして、虚しさと切なさと心細さ。
話す人がいなくなって、ひとりでポツーンと残されたときのいたたまれなさは想像を絶するものがあります。あまりにも悲しい。
なんでわざわざお酒の席に来てまで、ぼっちになってるんだろう・・・。自責の念がふつふつとわいてきます。
こんなに社交性が低いなんて社会人のクズだなぁ、なんて涙が出そうになってきます。
例えば、これが居酒屋なら席が固定されているし、周りとの距離も近いので、基本的にぼっちになることは少ないじゃないですか。誰かが話題を振ってくれることも多いですし。
立食パーティはそう上手くはいきませんから、本当にシビアですよね。
自分から話に行けない
ひとりぼっちにはなりたくないけれど、自分から話に行く勇気もわいてこないんですよね。もはやクズです。
- 「どうせわたしなんかと話してても面白くないんだろうな・・・」
- 「気を使ってくれてるんだろうな・・・」
- 「ほんとは早く話を切り上げたいんだろうな・・・」
- 「会話に付き合わせてしまって、申し訳ないな・・・」
そんなネガティブな思考が頭の中をかけめぐっちゃうんですよねぇ。わたしなんかが話しかけに行って良いのかな・・・。そういう考えが根底にあるので、動けなくなってしまうんです。
仕方がないからご飯を食べたりお酒を飲んだり
そうは言っても、さすがに何もせずに突っ立てるわけにも行きませんから、必死に食べ物を取りに行ったり、お酒をひとりで飲んだりして強がりを見せます。
「うわ、これおいしー」
「うわ、なんだろーこれー」
「うわ、このビール美味しいなー」
心のなかで、ただひたすらにそんな言葉を繰り返します。わたしぼっちじゃないよ、美味しい食べ物と美味しいお酒を楽しんでるよ。ひとりでも楽しいよ。強がってみます。
ああ、こんな強がり、周りの人には見透かされてるんだろうな。
でも仕方ない。何もしないでボーっと立ち尽くしていると、それこそおかしいやつに見えますからね。
とりあえずご飯とお酒で楽しんでいる風を演出しておきます。
「うわ、このサンドイッチ美味しいなあー」
「うわ、ジューシーな肉だなあー」
「楽しいなあー」
まさに一心念仏です。
立食パーティはサバンナだった
そんな感じでひとりでバクバクサンドイッチばっかり食べているわたしの周りでは男女がたくさんグループを作って、楽しそうに談笑しています。
わたしはもくもくとサンドイッチをほおばっているというのに。どいつもこいつも楽しそうにしやがって。なんて日だ!
よくあるドラマとかだと、「あの、よければお話しませんか?」とかいって、運命の相手が現れるはずなんですけどね。あれれー、おかしいなー。運命の人はまだかなー。
ひとりで死ぬほど寂しそうにサンドイッチを食べている私にたいして、誰も救いの手を差し伸べてはくれません。
当然ですよね。ここは生きるか死ぬか、修羅の国。
みんな自分のポジションを守ることだけで精一杯。他人を助ける余裕なんてありません。
立食パーティはサバンナなのです。弱い者は誰からも見向きもされません。ここでは肉食獣のようにガツガツと自分から攻めていく者が勝者なのです。
わたしは、もはやヌーです。ヌー。
サバンナの片隅で肉食獣におびえながら、ひっそりと暮らせということです。なんて日だ!
サバンナに救いの神が現れた
捨てる神あれば拾う神あり。ひとりでサンドイッチばっかり食べてるわたしの目に、ひとりの男性が映りました。
わたしと同じ。彼もこのサバンナでひとりで過ごしているようでした。これは絶好のチャンス。お互いに傷を舐め合おうと思って、その男性に近づきました。
わたし「こんにちは。今日はどちらからいらしたんですか?」
男性「千葉の◯◯から来ました」
わたし「そうなんですね。わたしは◯◯から来ました。ぽらりすといいます」
男性「わたしはDと申します」
Dさんと名乗るその人物は、とても気さくでいい人でした。ちょっと小柄でメガネをかけた人柄の良さそうなDさんは、わたしと同じで立食パーティが苦手だそうです。
結局、わたしはDさんとふたりで最後まで過ごしました。
男二人で語り合うというのも楽しいものです。おたがいに人見知りということもあり、とても穏やかな空気で会話ができたのです。
まさにDさんは救いのヒーローです。Dさんのおかげで、ぼっちのまま立食パーティを終えるという最悪の結末を防ぐことができました。
帰り道
そんなこんなで、なんとか立食パーティを乗り切った私ですが、帰りぎわに事件は起きました。
帰り道が同じ方向だったので、Dさんと一緒に帰ろうと思ったやさきのことです。あろうことか、Dさんの後輩を名乗る女性が現れたのです。
女性「Dさん、いっしょに帰りましょ!」
Dさん「わかったよ。ということで、ぽらりすさん、すみません。帰りはご一緒できませんが、今日はありがとうございました。」
Dさんは後輩を連れて立食パーティに来ていたのです。そのままDさんと女性は夜の街に消えていきました。その行方はだれも知りません。
Dさん、あんたすげぇよ。Dさんの人望と温かな人柄に思わず感服です。なんだか目頭が熱くなりました。
その後、わたしは雑踏にまぎれながら、ひとりで帰りました。
ぼっちになってしまった立食パーティを乗り切る方法
みなさんもこれからの人生で、立食パーティでぼっちになることがあるかもしれません。そんなときのために、わたしが解決策を考えてみました。
ぼっち仲間をさがす
これがおすすめです。ひとりでいる人のところに行って、仲間になりましょう。ヌーはヌー同士で集まれば良いのです。ライオンと無理に付き合う必要はないのです。
ひたすらご飯を食べる
ご飯をせわしなく食べて、ぼっちじゃないように見せかけましょう。しばらくはこれでしのげます。
トイレに隠れる
どうしてもいたたまれなくなってしまったら、トイレに隠れてしまいましょう。これ実際にやったことあるんですけど、けっこう悲しいです。
スマホをいじる(LINEで誰かとトークしてる風を装うとなお良し)
おれはLINEのトークで忙しいんだ。ぼっちじゃないよ。LINEで忙しいんだよ。話し相手がいないから、スマホをしているんじゃないぞ。
お酒の力を借りる
正攻法です。アルコールで気分を大きくして、真正面からサバンナのライオンたちに挑みましょう。ジャイアント・キリングができるかもしれません。
ということで今回は、立食パーティが苦手すぎる、というお話でした。あーあ、この世界から立食パーティなくならないかな。でも1年に1回くらいはあるんですよねぇ。やだやだ。