ある哲学者は言った。「人間が最も輝く季節。それは夏である」と。
みなさんは夏は好きですか。ぼくは夏が大好き。 ぼくの思い出の原風景はいつだって夏景色です。
- じりじりと照りつける強い日差し。
- 花火なんか観ていなかった花火大会。
- いつもと違った浴衣姿。
- 最後まで押せなかった送信ボタン。
- 10秒で散った線香花火。
- 汚かったけど気にならなかった学校のプール。
- 午後の教室に流れるけだるい空気。
- カーテンをゆらしてふわっと吹き込んだ涼しい風。
- とまらない脇汗は、暑さのせいか、彼女のせいか。
- どこかに消えていったセミの声。
- 誘われないバーベキュー。
- やっぱり誘われない海水浴。
- 繰り返す夏休みの1日、何度でも君に恋をする。
夏っていいよな。正直なところ、汗がダラダラ流れるし、暑いので消耗するんだけど、やっぱり夏には魅力がある。
スチャダラパーも言っているが、夏は人間をそそのかす魔力を持っている。
みーんなそそのかされちまう
つーいつい流されちまう
結局暑さでまいっちまう
誰のせい? それはあれだ!
夏のせい
『サマージャム'95』スチャダラパー
夏って、なぜあんなに情熱的で、退廃的で、センチメンタルで、すがすがしい気持ちになるんだろう。ああ、はやく夏にならないかな。ということで、もうぼくは夏が待ちきれません。あの蒸し暑い世界が待ちきれない。
そこで、今回は自分の部屋にいながらにして、簡単に夏の気分を味わう方法を考えてみた。
夏を再現する
連想ゲームの要領で、夏と言えば・・・? という問いかけをもとに、夏の要素を列挙した。
夏と言えば、
- 暑い
- 湿度が高い
- 蒸し暑い
- 虫が多い
- 太陽の光が強い
- 青空に浮かんだ入道雲
- セミの声がうるさい
- ヒグラシの声が切ない
- 夕焼けがきれい
- 海水浴
- 水着
- キャンプ
- バーベキュー
- 浴衣
- 旅行
- お盆
- 風鈴の音
- 田舎
- 田んぼ
- お祭り
- ノスタルジック
- ラジオ体操
- なんとなく青春っぽい
とりあえず、こんなもんでいいだろう。
次は、ここで列挙した要素を活用し夏を演出していく。 これでわたしの部屋は、オールシーズン・エヴリデイサマーというわけだ。
今回は、わたしの部屋のすみっこで夏を演出していきたい。
気温と湿度を上げる
まずは夏の蒸し暑い空気感を演出するために、エアコンを利用する。
設定温度を一気に30度にすることで、わたしの部屋は灼熱の真夏日と化す。 事前に熱いお風呂に入っておくと、余計に暑く感じられるのでおすすめだ。
※省エネの観点から、不必要に温度を上げるのは望ましくない。短時間にとどめよう。
さらに加湿器を使うことによって、夏の蒸し暑さを再現できる。ここでは2000円で購入した加湿器をフル稼働させ、湿度を上昇させていく。
うーん、かなり蒸し暑くなってきたぞ。これだ。この暑さがたまらねえ。
夏の写真を壁に貼り、BGMを流す
さあ、次はいよいよ夏の情景を再現してくぞ。目と耳、その両方で夏を思いっきり感じよう。
田んぼの写真を貼ってみる
夏の情景の定番である青い空と緑の「田んぼ」の写真を貼ってみよう。
懐かしい田園風景と紺碧の空が、ぼくの心を揺さぶっていく。ここでは、すかさず『ヒグラシの鳴き声』を再生する。
やかましい鳴き声も、この空間では優しい子守唄に。ああ、これは間違いなく夏だ。世界は優しさで満ちている。青々とした風が、わたしのこころを吹き抜けた。田舎のおばあちゃん元気かな。
サイダーを飲む
少年時代の夏の象徴といえば間違いなく『三ツ矢サイダー』であろう。この三ツ矢サイダーを気分は完全に夏休み。夏と言えばサイダー。サイダーと言えば夏。
炭酸のシュワシュワした舌触りは初恋の味。すこしだけ甘い砂糖の味は失恋の味。なまめかしいシズル感がたまらない。
蒸し暑い夏の午後、部活終わりにみんなで飲んだサイダーの味がいまここに。はじけとぶサイダーを舌の上で転がして、せつない郷愁に酔いしれよう。
夏祭りの写真を貼ってみる
今度は、青春シーンの定番である「夏祭り」の写真を貼ってみた。
甘酸っぱい恋模様が見え隠れするようだ。 ここでは、すかさずホワイトベリーの『夏祭り』を再生する。 ああ、これは間違いなく夏だ。遠くから君がぼくを呼ぶ声がする。 キミがいた夏は遠い夢の中、そんな気持ちになれる。
青空の写真を貼ってみる
次に、真夏の表象である「青空」の写真を壁に貼ってみる。
雄大な雲が浮かぶ広大な青空の景色は、わたしたちの心をがっちり掴んで離さない。ここでは、すかさず奥華子の『ガーネット』を再生しよう。
グランドをかけていくあなたの姿は、空に浮かんだ雲よりも自由であることに気づくはずだ。
海の写真を貼ってみる
「海」の写真を部屋に貼ってみる。
うーん、江ノ島の青い海は、あの夏の空を思い出させてくれる。すかさずYoutubeで『波の音』を再生しよう。
潮騒が心地よく響きだせば、気分はコートダジュール。
ああ、これは間違いなく夏だ。ぼくは波乗りジョニーだったんだ。 終わりなき夏の誘惑に人はさまよう。そして恋はカゲロウ。ああよみがえる。
ひまわりの写真を貼ってみる
夏といえばひまわり畑。 あの夏の日のメモワール。
ここでは、すかさず『セミの声』を流そう。 永遠の夏休みがわたしの部屋に顕現する。
ジリジリと強い日差し。真っ黒になりながら遊んだあの日々がよみがえる。
井上陽水の『少年時代』をBGMとして流すのもおすすめ。強烈な真夏の郷愁がおしよせてくる。
夏は作れる
いかがだっただろうか。今日は、自分の部屋で手軽に夏を作り出す方法を考えてみた。 夏を再現することは意外に簡単であることがお分かりいただけたのではないだろうか。
今回実践した自分の部屋で夏を再現するノウハウのことを、 『サマーメイキングプログラム』と名付けることにした。
↑30度の部屋で加湿器を使い、ヒグラシの鳴き声を聞きながら、遠い夏に思いをはせる。
ゆくゆくは全日本サマーメイキング同好会を作ろうと思っているので、 興味のある方はぜひご連絡いただきたい。 2018年の夏本番まであと3ヵ月ほど。
夏が待ちきれないあなた、夏が大好きなあなた、 もう一度あの夏に戻ってみたいあなたに、 サマーメイキングプログラムを。
自分に酔うことが大切
部屋で夏を再現するときは、過去の思い出を想起するなどして、精神を集中しよう。イマジネーションをフル稼働させないと、ただ部屋の温度が上がるだけとなり、不快な気持ちで終わってしまう。そうなると本末転倒だ。
具体的には、こころの中に残っている「夏の原風景」を想像すると良い。幸せな思い出・切ない思い出だと、なお良いと思う。
- 初恋の思い出
- 夏祭りの思い出
- 部活動の思い出
- キャンプの思い出
- 林間学校の思い出
- キャンプの思い出
- 海水浴の思い出
- お盆の思い出
上記のような繊細で豊かな情景をできるだけ具体的に想像しよう。詳細に想像すればするほど、夏に対する憧憬の念は強くなる。
思い出を武器にすれば、サマーメイキングプログラムは強い効力を発揮する。端的に言ってしまうと、夏の思い出のなかの自分に酔うことが一番大切なポイントだと言っても過言ではない。
夏は作れる。想像力のつばさに身をあずけ、あの夏へ飛んでいこう。
※夏の豊かな思い出を想起することは、実は精神的に良い効果をもたらすことがわかっている。夏歌やフォークソングがヒットする理由のひとつもそこにある。しかし、心地よい過去の思い出に長時間ひたって、現実逃避することは控えよう。あくまでわたしたちは、今この瞬間を生きているのだ。過去の思い出を消費し尽くすのではなく、新たに思い出を増やしていくことが重要なのだ。
「懐かしい気持ち」がもたらす、意外なメリット | ライフハッカー[日本版]
おまけ:夏を感じるコンテンツ
サマーメイキングプログラムの一環として、おすすめしておきたいコンテンツを挙げておく。
ぼくのなつやすみ
まずは名作『ぼくのなつやすみ』シリーズである。いくつかの作品が発売されているが、なかでも一番のおすすめはPS2で発売された『ぼくのなつやすみ2』である。 これは夏を感じるゲームとしてかなり評価が高い。
菊次郎の夏
北野武監督作品『菊次郎の夏』もおすすめ。
久石譲によるメインテーマは、誰でも聴いたことがあるあの曲だ。豊かな夏の情景が描かれた名作映画である。少年時代を思い出さずにはいられない。