みなさん、こんにちは。未確認生物ハンターのぽらりすです。
つい先日、大手町の駅のホームで電車を待っていたところ、気になる会話が聞こえてきました。
「豊洲の海には怪物がいるらしいぜ」
「うそでしょ笑」
「ほんとだって。豊洲って最近話題になること多いだろ?多分、怪物が関係してるんだよ」
「そんな怪物がいたら、もっと騒ぎになるだろ!」
そう言いながら、彼らは反対側の電車に乗り込んでいった。
・・・まじかよ!
豊洲に未確認生物が潜んでいたとは知らなんだ。そんな話、はじめて聞いたぞ。そもそも東京の海に怪物なんているのだろうか。でかいクジラみたいなヤツだろうか。
それが事実なら、ネス湖のネッシー、屈斜路湖のクッシーに続く、世紀の大発見になる。
多分こんな感じだと思う。豊洲の怪物のイメージ図。首は長く、胴体はずんぐりとしていて、するどいツメをもっている。泳ぎのスピードはかなり早く、魚などを食べている。ときどき呼吸のために、海面に姿を見せる。
さしずめ、豊洲の海にひそむ怪物、トヨッシーといったところだろうか。
未確認生物ハンターの血がうずくというものである。いつまでも少年の心を忘れられないわたしは、さっそく怪物の情報収集をはじめたのだった。
怪物の聞き取り調査
まず数少ない友人・知人に聞き取り調査を行った。
わたし「豊洲の怪物、トヨッシーって知ってる?」
友「なにそれ」
わたし「豊洲の怪物、トヨッシーって知っていますか?」
先輩「しらないな。なんだそれ」
誰もトヨッシーのことを知らなかった。まさに都市伝説。知る人ぞ知る、それがトヨッシーなのだろう。
友達が少ないので、得られる情報量に限りがあるのは仕方ない。こればっかりはどうしようもない。
ネットで検索してみた
それならネットで検索してみよう。「豊洲 怪物」「豊洲 トヨッシー」といったワードで検索してみたが、めぼしい情報は見当たらなかった。ツイッターでも出てこなかった。
まあ、これも仕方がない。ネットで検索してすぐに見つかるなら、それは未確認生物ではない。まことしやかに人々の間で語り継がれる存在、それが都市伝説の醍醐味なのだ。
情報が出てこないなら、自分の足と自分の目で確かめるまでのことよ!フィールドワークは、未確認生物ハンターの得意とするところである。
調査班はさっそく地下鉄に乗り込み、豊洲に向かった。
いざ豊洲
豊洲。江東区の埋立地で、いわゆる高級マンション街である。巨大な商業施設も並び、活気に溢れた街である。
有楽町駅で下車したわたしは、さっそく豊洲の海辺へと向かった。
夜の豊洲は人が少なく、けっこう怖い。人工的で無機質な景色に立ち込める濃霧。
サイレントヒルか?ここは。
この夜、豊洲には深くて濃い霧が立ち込めていた。この深い霧にまぎれ、海の中からトヨッシーがその姿を見せるかもしれない。
期待は高まる。海が見える場所へと向かった。
豊洲の海
そこには漆黒の海面が広がっていた。
はるか遠くには、ファイナルファンタジーⅦに登場する神羅カンパニーのような高層ビルがそびえ立っている。
相変わらず人が全然いない。ほんとうに東京かよ、ここは。どっかのダンジョンじゃないのか。
人の気配が全然ないので、ちょっと怖かったが、さっそくトヨッシーを探すことにした。
遠くのビルから異様な光が放たれていた。さんさんと輝く高層ビル街。海を眺めてみるが、どこにもトヨッシーの気配は、ない。
さらに高いところから海を眺めてみたが、どこにもトヨッシーの姿は、ない。
トヨッシーに会うためには何か条件がいるのかもしれない。怪物をおびき寄せるエサも持っていないし、どうしようもなかった。
トヨッシーはいなかった
豊洲の海に住むといわれる未確認生物、トヨッシーの姿はどこにもなかった。この夜は霧が深く、冷たい雨が降り注いでいた。
海の中から、巨大なトヨッシーがいまにも姿をみせそうな雰囲気だったのだが・・・。
やはり、未確認生物ということだけあって、そう簡単に姿は見せてくれないということなのか。
でも、豊洲の夜景は綺麗だった。
豊洲の夜に浮かびくるのはトヨッシーではなく、地上の星だったのだ。ひとつひとつのビルの光の中に人間の営みがある。そんなことを考えていると、あたたかな気持ちになる。
豊洲の怪物は、美しい景色をわたしに教えてくれた。その姿は見つからなかったが、この夜景が見られたので良しとしよう。
みなさんもぜひ豊洲の夜景を見に行かれてはいかがでしょう。トヨッシーは見つからないかもしれませんが、きっとあたたかい気持ちになると思いますよ。
以上、豊洲の未確認生物を探しに行った話でした。